最近気になることがある。トラックや営業車を運転するビジネスドライバーのモラルの低下だ。きちんと制服やスーツを身に着け、会社の看板を背負って、キレイに磨き上げたクルマに乗っているにもかかわらず、乱暴で強引な運転をする人が多くなっている気がする。たまにタクシーを利用すれば「道がわからない」、「カーナビの操作に慣れていない」といい訳をし、走り出せばお世辞にもプロとは呼べない荒っぽい運転…。景気が悪いから、と一言で片付けていいことではない。真面目に安全を心がけて走っているたくさんのドライバーたちの努力を、ごく一部のプロ意識が欠落したドライバーたちがぶち壊しにしているのではないか。
毎月一回、プロフェッショナルにインタビューしている。ハーレーダビッドソン専門誌の連載のため、メンテナンスはもちろん、カスタムやチューニングなど高度なテクニックを持った方々の仕事場を拝見し、お話しを伺っているのだ。モーターサイクル、特にハーレーに関わる人というと、一般に「強面で近寄りがたいアウトロー」といったイメージを持つのではないだろうか。実際彼らは、髪を伸ばし、もしくは坊主頭で、ヒゲをたくわえ、Tattooをするものもいる。そんな「外見」が彼らをアウトローっぽく見せているのだろう。しかしその内面は極めて生真面目でまっすぐ、「オーナーが楽しく、安全にハーレーライフを満喫できるように、その為の苦労は惜しまない」と口を揃える。これぞプロ、と思わせてくれる。この取材を通して、プロフェッショナルの定義とは、プロ意識とは何かを毎回彼らに教わっている気がしてならない。身なりや業種なんか関係ない、その仕事ぶりが、プロか偽物かを決めているのである。