1910年代に欧州最初の大量生産を開始、30年代にモノコックボディーのFF(前輪駆動)車をリリース、50年代にはハイドロニューマチックと呼ばれるエアサスペンション機能を搭載等々、他に先駆けて新しいチャレンジを積極的に行ってきたのがフランスのシトロエン。そして何を隠そう、僕が子供の頃からずっと気になるブランドも、このシトロエンなのだ。
母が若い頃乗っていたというのがシトロエン(恐らく1940~50年代のTraction Avant/トラクシオン・アバン)。従兄弟の家で一目惚れ、奪うように手に入れたミニカーはシトロエン・タイプHバン(そんな乱暴な方法でオモチャを手に入れた記憶は後にも先にもその一度きりである)。数台しか作った記憶がない欧州車のプラモデル、ポルシェ・カレラやランボルギーニ・カウンタックLP400などとともに鮮明に覚えているのもシトロエン(2CV)。『ハンドルに連動してライトが動き進行方向を照らす』というギミックになぜか未来を感じ、いい知れぬ興奮を覚えたシトロエンDS。シトロエンと聞くと、いろんなエピソードが思い出されるのである。
しかし残念ながらオーナーになったことはなく、実際に乗せてもらったことがあるのも2CV、BX、エグザンティアぐらい。シトロエンについて熱く語れる程の知識などない。でも気になるのだ。
イラストは宇宙船のごとき未来的スタイルと『ライトが動く』ギミックで僕を虜にした70年代のシトロエンDS。是非一度乗ってみたいクルマである。誰か乗せてくれませんか?