前回に続き、ロスのピーターセン自動車博物館で見たハリウッドの劇中車のお話し。展示車両の中で最も大きかったのがこの2台。黒いのはちょっと前のバットマンカー。以前にテレビシリーズのバットマンカーを見て、その長さに驚いたが、これは一段と長い。ベースのクルマの有無について議論するのもナンセンスな長さだ。近年のはツヤ消しでステルス機っぽいようだが、これはツルツル。ゆえにカタチがどうなってるのか捕らえ所がない、不気味な迫力をたたえていた。
コーラルブルーの一台は、まるっきりストックのサンダーバード・コンバーチブル。終盤のモニュメントバレーの景色が印象的な、女性二人による破天荒なロードムービー、『テルマ&ルイーズ』で激走していた一台だ。不気味なバットマンカーに負けない迫力の市販車って凄いなあ、と思う。アメリカ車がもっとも大らかだった時代の名車といっていいだろう。