アリゾナ州の乾いた大地を旧道ルート66沿いに走る。シカゴからロス、東から西に向かう正規のルートであれば、高速道路インターステート40と交差する宿場町『キングマン』の少し手前、ちょっとしたワインディングの途中に忽然と現れるのが、古びたガソリンポンプと木造平屋の建物が目をひく『ハックベリージェネラルストア』だ。
ここは、カメラ付き携帯電話やインスタグラムなどが生まれるより遥か前から、広い駐車スペースにクルマやバイクを停めた観光客が、思い思いに写真を撮るフォトスポットとして知られる、ルート66の名所のひとつ。それを意識してだろう、建物のまわりに様々な年代のアメリカ車が無造作に置かれている。
イラストは、メインの建物の奥に別棟で建つガレージの壁面。ここだけでなく、敷地内のフェンスや壁に、こんな感じで無数のナンバープレートやロードサイン、金属製の広告看板が貼付けられている。ここにある様々なモノたちが渾然一体となって時を経ることで、この魅力的な風景をカタチづくっているのだ。