生涯忘れ得ぬ景色のひとつを10年以上の時を経て描いてみた。2001年4月24日の夕方、ニューヨーク・クイーンズから見たマンハッタン。真ん中に小さく見えるのはエンパイアステートビルである。
この日の朝、ニューアーク空港近くのモーテル6を出発、ウィークデイの渋滞するホランド・トンネルを経てマンハッタンに上陸を果たした。ハーレーダビッドソンによる約一ヶ月をかけた単独アメリカ横断ツーリングの、ひとまずのゴールにたどり着いたのだ。
ミッドタウンで友人と合流、久しぶりに口にした寿司が嬉しかった。夕方はクイーンズ在住の別の友人たちと合流。彼らのアパートにバイクを停め、皆でチャイナタウンに食事をしに行こうということになった。僕の歓迎会、そして大陸横断達成記念パーティーをしてくれるという。
地下鉄の駅までワイワイと歩く。長いロードトリップの間、こうやって歩くことも、公共の交通機関を利用することもほとんどなかったから、気分も盛り上がる。このエリアでは地下鉄は高架橋の上を走っている。ホームに上がってみたらこの景色、一同その美しさに目を奪われた。友人たちは口々に「こんないい夕焼けはなかなか見られないよ。」「きっとGAOさんを歓迎してくれてるんだよ!」と言ってくれた。この晩のチャイニーズとチンタオビールの味も忘れ得ぬものになったのは言うまでもない。