アメリカ大陸を東西に走る州間高速自動車道路、Interstate-40号線は、西から辿るとカリフォルニア、アリゾナ、ニューメキシコ、テキサス、オクラホマと、いわゆる大西部時代の面影を残す広大な景色の中を突っ切っている。この道とおおむね平行してあのRoute-66も走っており、ゆっくりと景色を楽しみながら旅をするなら、この寂れたHistoric Routeを行くのもお薦めだ。ところどころ寸断されていることもあってか、Route-66は現代のロードマップに載っていない区間も多いので、もし本当に旅を実行に移すなら、専用のドライブマップを準備する必要があるが。
実は前述の二本のルートと平行して、ドライブマップで見つけることが難しい道がもう一本存在する。40号線とRoute-66を縫うように走るこの道は、貨物専用のレール・ロード、そう鉄道の線路だ。映画等でお馴染みの貨車を何十台も連ねた長い長い貨物列車、あれが見たければ、このルートを走るといい。サンタフェ鉄道などと呼ばれるこの貨物鉄道、ディーゼル機関車がたくさんの重たい貨車たちをノロノロと運ぶ為、40号線を利用するトラック輸送よりだいぶスローペースだが、燃料や穀物などを始めとした大量貨物を運搬する動脈として今も機能している。
時速65~75マイル(約104~120キロ)で流れるInterstateと比べると、貨物列車に近いペースで走ることになるRoute-66だから、運良くディーゼル機関車と並走したりすることがあれば、笑顔で手を振り、クラクションを鳴らしてみることもお薦めしたい。気のいい運転士が必ず警笛を鳴らして応えてくれるからだ。『ファン・ファーン!』と趣きのあるその音が、旅の気分を一層盛り上げてくれること請け合いだ。