「変わることの良さ」と「変わらないことの素晴らしさ」。アメリカをロードトリップしていると、普段はあまり考えない、そんなことに思いを巡らせることがある。僕が生活している東京は、新しいこと、便利であることが至上命令であるかのように凄まじいスピードで変化を続けている。アメリカだって都市部に行けば同じようなものかも知れない。かたや日本でも郊外に行けば変わらない場所、風景がたくさんある。
はじめてルート66を走ったのは15年以上前。そのときに見た、既に長い間そこに存在して充分に年期の入った看板や建物の数々。
以後同じ場所を訪れるたびに、そんな景色が今も残っていることに驚かされる。
郷愁を感じる者、もの寂しい風景だと思う者、はたまた「単なるつまらない田舎の風景じゃないか」と言う者。人によって感じ方は様々だろうが、僕はそんなどこか懐かしい景色を前にすると、新しいこと、変化することが全てではないのではないか、という思いにとらわれる。
年齢を経たからなのか、単なるノスタルジーなのか、新しいことの良さよりも、変わらないことの素晴らしさに価値を感じることが多くなった気がする。