「これ、珍しい!」30代半ば以上の皆さんからはそんな声が、そして若い世代からは「可愛いクルマ!日本製?」と言われそうなこのクルマは1975年製のニッサン・チェリーキャブ。
高級品をはじめ、名品と言われるものは長く大切に使い続けられたり語り継がれるものだが、大衆文化や大量生産品は消費され、やがて忘れ去られると聞いたことがある。
それゆえだろう、チェリーキャブも「知ってるけれど最近めっきり見かけない存在」となっているのだと思う。
いわゆるトラックやVAN=ライトバンは仕事グルマ、各メーカーがそれぞれの時代のニーズを取り入れて設計、大量に生産。そのほとんどは荷物を満載して数10万キロの距離を走りコテンパンにこき使われ、その使命を終える。すなわち、スクラップにされるか、途上国に送られて我々の目に触れることなく第二の人生(車生?)を送るのだ。
このチェリーキャブは静岡に現存する数少ない(であろう)一台。30代のオーナーの好みでわずかに車高が落とされていることを除けば、ほぼストックの状態が保たれている。こんな珍しい隠れた名車を大切にしていくのもまた、クルマ趣味の醍醐味だと思う。