2013年はハーレーダビッドソンがアメリカはウィスコンシン州ミルウォーキーに生を受けて110年の節目の年にあたる。ちなみにハーレー生誕の年、1903年は日本の元号では明治36年にあたり、同じアメリカ生まれのフォードもこの年にデトロイト近郊で誕生している。世界最古の自動車メーカーと言われるメルセデスベンツは1886年にドイツで創設された。
ハーレーは10年前、100周年に大々的な記念イベントを全世界で開催した他、この年も含め5年おきに記念モデルを登場させている。先頃発表になった2013年モデルにも重厚なデザインと110周年の記念メダリオンをまとったアニバーサリー仕様がラインナップされており、これを楽しみにしているファンも少なくない。
しかし、お薦めは他にも存在する。2012年モデルとして一機種にだけ採用、大好評を博したモデルに奢られていたキャンディーカラーが、2013年は3カラーに拡大され、複数の車種で展開されるのである。キャンディーカラーとは1950~70年代にホットロッドやチョッパーのカスタムペイントとして大流行した、大変手間のかかる凝ったペイント手法。まずフレークと呼ばれる粗めの金属粉を塗装面に吹き付け、その上にクリアカラー(例えばレッド、グリーン、ブルー、イエローなど)を塗装、さらに無色のクリアコートを何回も塗っては磨くという行程を繰り返す。手間を惜しまずに仕上げれば、平滑な塗装面と、光沢感と奥ゆきのある美しいペイントが出来上がるのだ。
塗装面だけを見ると「派手だな~」と思ってしまうのだが、これが太陽と青空の下で走っている姿は、本当にカッコいい!必見である。
クルマの世界、ホットロッドの歴史上にも、キャンディーカラーをまとったカスタムカーが数多く存在するが、大きなボディーにこの手間ヒマのかかるペイント手法を用いていたと思うと、当時のカスタムビルダー、ペインターの努力にはただただ敬意を払うのみである。それにしてもクルマのボディー全体がキャンディーカラーだとしたら、やっぱり派手だろうなあ~。