このクルマを見て「おおお~!」と声を上げてしまったあなたは40~50代、もしくは特撮マニアに違いない。僕がまだ小学校にあがる前、1967~68年にかけテレビ放映された「ウルトラセブン」。その中に登場する地球防衛軍/ウルトラ警備隊の特殊車両「ポインター号」、それがこのクルマの正体。その発進シーンや大きくて独特なスタイル、スイッチひとつで様々な攻撃から車体を防御するバリアなど、未来を感じさせる様々な設定が子どもたちの心を鷲掴みにした。当時から玩具やプラモデルが何種類も発売され、高い人気を誇った。ウルトラシリーズをはじめ、今日までいくつものヒーローものが生み出されたが、その中でも最高傑作という人が多い。僕も同感である。
イラストのモチーフになったのは実在するポインターの精密なレプリカ、それも模型などではなく、走行可能な1/1スケールの実車である。僕と同年代のマニアがベースとなるアメリカ車、50年代のクライスラー・インペリアルを探すことからはじめ、長い時間をかけて製作、すでに20年も実走行可能な状態で維持しているというから驚きだ。