アメリカ生まれのスポーツカーとは?と聞かれたとき、コルベットの名前を挙げる人は多いだろう。ではアメリカ生まれのレースカーとは?と問われたらどうか。「パワーはあるが大味」、そんな印象がつきまとうアメリカ車は、レースには不向きと思われがちだ。それにNASCARやINDYの日本語による情報すら手に入りにくい中で、そもそもアメリカのレースを具体的にイメージすることすら難しいのではないだろうか。
そんな我が国において、アメリカン・スポーツカーの雄、コルベットを使ってサーキットを走ることにこだわる男がいる。市販のコルベットZO6をいったんバラバラにし、足回りやボディーを強化・チューニング、「ヨーロッパのスポーツカーと渡り合えるポテンシャルを引き出すのが楽しい」と語るのは、このレースカーの製作者であり、自らもステアリングを握る、横浜のアドバンスオート代表、山本正人氏だ。
これまで様々なクルマ、レースカーに乗ってきたが「ヨーロッパ車はどこか神経質なところが性に合わない。自分にとって一番気持ちいいのがアメリカ車だった。大排気量V8のトルク感をダイレクトに感じながら走るのが好きなんです。それにアメリカ車でフェラーリやポルシェに戦いを挑むことに意味がある」
山本氏は「実は欧州の有名スポーツカーを買っていじることを考えれば、コストパフォーマンスにも優れていると思うんです。それにこの乗り味を知ってしまったら病みつきですよ!」と心からの笑顔で語るのだった。