先週まで4回にわたりご紹介してきたNASCARの車両は90年代初頭~中盤のもの。そこから15年以上がたった現在のレースカーをつい先日の渡米でたくさん見てきた。高いパフォーマンスと安全性の両立を掲げて策定された新世代の車両基準"Car of Tomorrow"、通称COTにより近年大きく変貌を遂げているNASCAR最高峰、スプリントカップのレースカー。その特徴のひとつとしてフロントのプレート状のアンダースポイラーが挙げられる。複数の棒状のステーで支えられたプレートは、ハイスピードのオーバルバトルでの車両の安定性を高める効果があり、またその路面とのクリアランスの優劣は見るものにクルマの仕上がり具合をも教えてくれる。
イラストは先月末にノースカロライナのシャーロットで開催された『コカ・コーラ600』の予選時のスナップから描きおこしたもの。モチーフとなったレースカーは2007年からスプリントカップに参戦しており、もはやNASCARになくてはならない存在となったトヨタのカムリである。アメリカでメジャーなホームセンター"THE HOME DEPOT"の看板をしょったゼッケン20番は、1990年生まれの若手ながら、したたかな走りで上位に顔を出すJoey Logano(ジョイ・ロガーノ)のマシン。90年代は長いキャリアのベテランが優勢と言われることの多かったNASCARだが、昨今では若くそして速いドライバーがベテランと互角の戦いを見せることも多くなった。こんなところにも時代の変化を感じるのである。
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