ペイントが剥げたモノ、錆びたモノ、凹んだモノ…。毎週ここで僕の絵をご覧頂いて、僕がそんなある種「変わったモノ」好きであることはバレているハズ。ただ、ボロボロであればいいという訳でなく、例えばカビたモノ、割れてしまったプラスティック、表面が剥がれた合皮などには興味はない(変わり者ではないので)。
好きな「旧いモノ」のとどめはやはり金属製の旧いモノ、ということになるだろう。クルマやモーターサイクル、それにまつわるプロダクツならなおいい。
ということで今回のイラストは旧いオイル類の空き缶である。アメリカには僕みたいな「変わったモノ」好きがたくさんいるようで、乗り物系のスワップミートに行くとそれがよくわかる。最も旧いところだと1900年代初頭の缶までが売られている(かなり高額だが)。時代を感じさせるグラフィックスはもちろん、サビ具合、凹み具合までが何とも魅力的なのだ。
今僕たちの身近にある工業製品の多くが金属からプラスティックに置き換わっている。ご存知の通りプラスティックなどの石油製品は、年月を経ると自然に劣化して退色したり割れて、やがてボロボロになる。大量生産が容易で軽いしサビない。他にも多くのメリットがあるから、オイル缶などの容器類もどんどんプラスティックになる。でもプラスティックの缶は金属のそれのように数十年先、百年先には残っていないかも知れない。残らなければ愛好者も存在し得ないだろう。そんなことを考えると何だかちょっと寂しい気持ちになるのは、やっぱり僕が変わり者だからなのか。